10年越しのクスクス

夜、お気に入りのフレンチレストラン(http://1st.geocities.jp/premier_1994/)に行きました。フレンチと言ってもかなり気軽なお店で、お値段が手頃でかつめっちゃ美味しくて、ボリュームもがっつり!とくると、他のお店に行く気がしません。
メニューの一部が週代わりみたいになってて、行く度に、このメイン試してみようかな、とか、いや今日は定番の牛ほほ肉の赤ワイン煮で、なんて楽しく深く?悩みます。今日のメニューには、「クスクス」が載ってました。迷わずこれを注文。絶妙のつぶつぶ感&羊の煮込み最高〜!で大変おいしくいただきました。
このレストランは、学部の指導教官が教えてくれました。10年以上前のことです。東京へ両親がやってくるんですけど、と先生に話したら、おいしくて気軽な店だから、とここを勧められました。初めて店に行ったときはキンチョーしてしまって(今から思えばそんな必要全然なかったんだけど、不慣れだったし(苦笑))、父は自分が食べられないレバーとか頼むし、私もデザートのフランボワーズのシャーベットが真っ赤でびっくりしたり、なんだか大変な思いをしました。でも2回目、「論文が通った祝いにぱーっとおごったるで!」と先生が連れて行ってくれた時は、奔放に料理を頼みワインをがぶ飲みしてご機嫌な先生と論文が通ってめでたい先輩がめっちゃ楽しそうで、口にする料理もすべて本当においしかった。小遣いをためて友達と季節に一度、月に一度と自分へのご褒美に通うようになると、先生は「あそこのクスクスおいしかったぞ〜。今度行ったら絶対食え!」と私達に勧めてくれました。その後、お店に行く度にメニューをチェックするのですが、クスクスが載ってない。何度か目に「クスクスってあるんですか?」とお店に尋ねると、「あーそれは冬のメニューなんですよー」とのお返事。冬になって楽しみにして訪れると、またメニューにない。お店の人曰く、「クスクス、最近やってないんですよー」。少なからずショックでした。
先生にこのことを話すと、それは残念だなあ、でも自分でも作れるからやってみ、とレシピを教えてくれました。自分で作った、一度も食べたこともないクスクス料理は、なんだかもっそりしててあまり美味しいとは思えなかった。それは残念だったね、と先生は私を自宅に招いてご馳走してくれました。奥さんと先生が作ったという料理はびっくりするほどおいしかった。家庭でこんな料理ができるのか、本当に衝撃的で、先生のお宅からいろんなレシピを借りては自分で試したり人に食べさせたり。。。私に料理の楽しさや奥深さを教えてくれたのは松井先生でした。
あれから10年。先生にもそのご家族にも、もう会うことはできません。先生が教えてくれたレストランと料理のレシピが残るのみです。先生、教えてくださったとおりレストランプルミエのクスクスはおいしかったです。できれば先生と一緒に食べてみたかったです。