春日の鹿


根津美術館に行ってきました。春日の鹿さんに会いたくて。。。
この絵、奈良国立博物館所蔵なので、なかなかお目にかかれません。鹿の優しい顔とか詫びた胡粉の白とか榊の緑青とか金色の円とか春日山とか野の緑とか装飾の朱とか雲のたなびくさまとか、もう何もかも好きです。何度もじっくり見るたびに、だんだん絵の細かいところまで見えてきて、そのたびにこんなに凄いんだ美しいんだ可愛らしいんだと感動しました。美術館を出る前にもう一度、と絵の前に立って、今度いつこの絵に会えるのかと思うと寂しくて涙が出そうでした。
この展覧会には、細見美術館の鹿さんも来ていました。この像も大好き! いつか自分の鹿さんを描いてみたいなあ。かなり無謀な気もするけど。もっとちゃんと描けるようになったら、いつか。。。

春日大社の境内の絵もたくさんありました。なだらかな山の曲線は今も昔も同じ。境内の様子もほとんど変わらず。7、800年前も同じような景色だったんでしょうか。松の間に鹿が見え隠れする景色を見ていると、くしくも2年前のちょうど今頃、春日大社の境内で集中豪雨で冠水した側溝に腰の上までドボンしたのを思い出しました(苦笑)。
奈良行楽地図屏風、よ〜く見ると、鹿の前でへっぴり腰の人物とそれを見ている人々が描かれていました。鹿にちょっかいだして逃げているところなのか、鹿にちょっかいだされてびびっているところなのか。奈良の鹿、今も昔も変わらないなあ。