鶴<亀の関係

久しぶりに上野動物園に行ってきました。
涼しくて風が気持ち良くて、動物達のかわいい姿が見られて、とってもいい夏休みを過ごせた感じ。
一年ちょっとぶりに鶴を見に行ったら、前の鶴がいなくて、代わりに若い鶴が二羽いました。前のあのしっかりした感じのカップルはどこにいっちゃったの?? あのお父さん鶴の姿がまた描きたくて、様子を見に来たのに。。。がーん。
今年生まれたばかりの鶴は、そろそろ丹頂らしく白い羽、黒い首筋、真っ赤な頭頂部がそろってきてました。ちょっと年長さんのもう一羽に比べて脚も首も細くてきゃしゃで、なんでこんな細くて立ってられるんか不思議なぐらい。年長さんの脚も細いけど、よくみると筋肉が付いてがっしりしてる。足の指もいっぱい地面を歩いてきた感じ。ゆっくり歩いてくれるので、歩くときの足の指の動きがよく見える。こう持ち上げて、こう地面について、、、と鶴の後を追っていくと、おもむろに立ち止まってくちばしで地面を掘り出しました。柵によじ登って鶴の様子を見ている子供に、その子のおじいちゃん(推定)が「ミミズとか食べるのかな〜? 何か昆虫がいるのかなあ?」と話しかけてます。私も一緒に、鶴が地面を掘って何をしているのか、見守りました。子供が「あ、何か赤っぽいのがみえるよ?」と言いましたが、おじいちゃんも私もよく見えません。「赤い? じゃあやっぱりミミズじゃないの?」とおじいちゃん。もうしばらく見ていると、今度は真っ白なものが土の中に見えました。見ている一同、「?」。まだまだ鶴は地面を掘ります。鋭いくちばしを地面につきたてて土を掘り、掘った土の塊を軽くかみほぐしているようなしぐさを繰り返します。そのうちまた白い塊が土の中から見えてきました。今度は何か分かりました。「あ、タマゴだ!」と子供が叫びます。うずらタマゴより少し小さいぐらいの楕円形の卵は柔らかく、鶴がくちばしでつつくとすぐつぶれてしまいます。どうやらその中身を食べようとしている様子。。。げげ。土の中に卵ってことは、何かは虫類系のはず。トカゲ? ヘビ? それとも。。。? 子供もおじいちゃんも何だろうねえ?と掘り返される地面をじっと見守ります。3,4個の卵をつぶした後、やさしく噛み砕いた卵の中から鶴がくちばしの先で引っ張り出してきたのは、ああ、まぎれもなく、カメさん。小さな小さな、亀でした。甲羅も手も足もしっかりできてます。それを鶴がくわえてぶんぶん振り回して。。。あへー見てられません。でも怖いもの見たさというよりもう目が離せません。おじいちゃんも子供の「亀だね」「亀だねえ」「亀食べてるね」とシンプルな会話を繰り返しながらずっとその様子を見ていました。最後の一個の卵をつぶさずにそっとくちばしにくわえた鶴は、そのまま水辺に向かい、そこで何かを水でゆすぎつつ、ごっくんしていました。
鶴と亀はよくセットで描かれたり話されたりしますが、実はこういう関係だったとは。。。くちばしの先から小さなカメをぶら下げた鶴の姿が、頭から離れません。ああ、見てはいけないものを見たような。。。