現代アートってば

umegasane2008-08-29

現代アート嫌い?の私を、「それは食わず嫌いだから見たほうが良いよ!」と、義妹が強制的に親切にも森美術館に連れてってくれました。
私は普段、結構昔のものばかり見ているし、六本木ヒルズなんて全然興味が無い。モダンもポストモダンもついていけない。対して義妹は、現代の芸術の研究者(らしい。先週初めて知った)。インスタええや〜ん☆な現代っ子。こんな機会でもなければ見ることもないだろう「現代アート」っていうものを、しっかり見てきました。
アネット・メサジェってフランス人のすっごい元気そうなご婦人の作品群を見ましたが、うまい。うまかった。上手〜に人間の意識の根幹に潜んでいる嫌悪・恐怖みたいなのをそおお〜っと起こしてくる。こちょこちょと神経を逆撫でされっぱなしな感じ。一見ポップで可愛らしいピンクや黄色のカラフルなぬいぐるみに、なんでこんなコワイ細工ができるんだか。。。手数の多さには本当に恐れ入るし、子供の残虐さみたいなのが全開な感覚にも参った。ベネチア・ビエンナーレに出品したcasinoって作品なんて本当に良くできてた。出産、血の海、臓器、美しくて穏やかな赤い波の上下に示される独特の造形を見ていると、むしろ落ち着いてしまうというか。。。作品の横に貼ってあるキャプションの内容が違ってるのが気になったけど、それはメサジェのせいじゃないし。まっくろくろすけ(と私と義妹が勝手に呼んだ)が室内にゆらめいてる作品は、残像の視覚効果のせいで、じいっと見れば見るほど薄暗い室内に白い光みたいなものがキラキラ見える! もしこの視覚効果まで狙ってコレを作ったんだったらまじですごい。
義妹は「コレはレベル高い!」と喜んでいたのは、天井から吊るされた死体と臓器風のぬいぐるみが、がらがら音を立てながらぐるぐる室内を循環する作品。「この真ん中に布団敷いて寝たい!」と幸せそうな笑顔でのたまう。それは、メサジェさんも嬉しいようなさぞがっかりなような気持ちになることでしょー普通の感覚じゃない〜。私はこの作品には本当に「あてられ」て、げっそりというか、おえーというか、もう簡単な言葉しか出てきませんでした。
おかげさまで、義妹のいう「質の良いレベルの高い現代アート」がたっぷり見られました。めっちゃ楽しい〜と喜ぶ彼女と、作品群の毒?にあてられてげっそりな私。美術館の脇にあるレストランで東京の街を見下ろしながら二人が至った結論は、エスプリだといえばグロも毒もOKな状況下で自らも毒吐きまくりなのを楽しんでるのが義妹、その毒にきっちりあてられてダウンしてしまうのが私。繊細☆な私の神経には現代アートは刺激が強すぎるのよ〜と彼女に言うと、せせら笑われたような気が?。。。